整形後のダウンタイムとは?
美容整形手術後は、使われる麻酔や施術そのもので、腫れたり、むくんだり、内出血やあざができやすくなります。また、顔の輪郭に関する施術を受ければ、口を開くのも大変で食事が取れない、飲み込めないといった症状が起こる場合もあります。
このように、施術を受けてから元の生活に戻るまでの回復期間のことを「ダウンタイム」と呼びます。症状や回復までの期間は、受けた手術の内容や個人差によって変わってきます。
無事手術も終わって、コンプレックスも解消されて、新しい顔を早く見たいと思っても、ダウンタイム期間を乗り越えないといけません。「メイクができない」「顔や髪が洗えない」「食事もままならない」「人にも会えない」と日常生活に制約が出てくることから、「ダウンタイムが一番つらい」と精神的に落ち込んでしまう人もいるようです。
ダウンタイム期間を上手に乗り越えて「理想の自分」を手に入れるために、まずはダウンタイムの期間がどれくらいあるのかを部位別に見ていきましょう。
【部位別】整形後のダウンタイム期間の目安
ダウンタイムは手術する部位や種類、施術法によっても異なります。
例えば目の整形手術であれば、目頭切開、二重手術、涙袋形成、眼瞼下垂などがあります。二重手術の中にも「埋没法」や「切開法」といった施術法があり、それぞれダウンタイム期間は異なります。
このように手術内容によって変わってくるダウンタイムですが、今回は「目」「鼻」「小顔整形」それぞれのダウンタイムについて解説していきます。
目の整形(二重・目頭切開)
日本美容外科学会が専門委員会を立ち上げて行った国内の美容医療実態調査によると、2017年の美容整形手術のうち、全体の約4割以上を占めたのが二重に関する手術でした。
二重手術には、「埋没法」と「切開法」があります。切開法の場合は、同時に目頭切開が行われる場合もあるため、「埋没法」「切開法」「目頭切開」の3つについて、ダウンタイム期間を見ていきます。
(期間や症状には個人差があります)
埋没法
ダウンタイム期間:1週間程度
症状:痛み、腫れ、内出血、赤み
切開法
ダウンタイム期間:1か月程度
症状:痛み、強い腫れ、内出血、赤み
目頭切開
ダウンタイム期間:1か月程度
症状:痛み、腫れ、内出血、赤み
目の場合は、やはり切開しない埋没法が一番ダウンタイムの期間が短くなります。切開法や目頭切開は、抜糸するまでの1週間は仕事を休んだほう良いでしょう。
また個人差はあるものの、腫れやむくみが完全になくなるまでは1か月ほどかかるため、会社員や学生、また旅行のような予定が決まっている人は、手術を受けるタイミングに注意が必要です。
鼻の整形
鼻の整形手術には、「鼻を下に向ける(鼻中隔延長)」「小鼻を小さくする(鼻翼縮小)」「鼻を高くする(鼻尖形成)」などがあります。鼻の整形は、大きく「切開する方法」「切開しない方法」の2種類に分けることができ、ダウンタイム期間が異なります。
「切開しない」鼻の整形は、ヒアルロン酸を注入したり、切らずに針孔を開けて軟骨を糸で結んだりする施術法で、ダウンタイム期間は1週間から2週間程度です。
一方、「切開する」施術法のダウンタイムは、下記の通りになります。
(期間や症状には個人差があります)
鼻中隔延長
ダウンタイム期間:1週間程度は強く腫れる。安定するまで3か月程度。
症状:腫れ、むくみ、鼻づまり
鼻翼縮小
ダウンタイム期間:2週間程度で腫れが引く。安定するまで1か月程度。
症状:腫れ、むくみ、内出血
鼻尖形成
ダウンタイム期間:2~3か月程度
症状:腫れ
鼻の美容整形の場合に、耳の軟骨を使用して行うと、耳にもダウンタイム期間が生じます。
また、鼻の形を維持するためにギプスを付ける期間があるうえ、ダウンタイム期間中は鼻が曲がらないように注意を払う必要もあります。傷跡が気にならなくなるまでには、数か月かかる場合もあります。
顔の輪郭整形
顔の輪郭に関する整形部位は、おでこ、頬骨、鼻の下、エラ、あご、口回りとあります。多くの場合、骨を削ったり、切除したりする施術になります。
ヒアルロン酸注入や脂肪吸引など、切開しない施術法であれば、ダウンタイムは当日~1週間程度で済みますが、骨に手を入れる場合はダウンタイム期間が長くなります。
(期間や症状には個人差があります)
アゴプロテーゼ
ダウンタイム期間:1週間程度
症状:腫れ
下顎角形成術(エラ削り)
ダウンタイム期間:2週間程度で腫れが落ち着く。安定するまで3か月程度。
症状:腫れ、しびれ、開口障害
おとがい形成術(アゴ骨切り術)
ダウンタイム期間:2週間程度で腫れが落ち着く。安定するまで3か月程度
症状:痛み、腫れ、しびれ
輪郭形成では術後3日~1週間程度、腫れを抑えるためにフェイスバンテージを巻く必要があります。
また、下顎角形成は顎関節の近くの手術となるため、術後は口が開きにくくなって食事が取れなかったり、飲み込めなかったりする場合があります。
ダウンタイム中にしてはいけない5つのこと
次に、ダウンタイム中に禁止されている5つのことを解説していきます。特に、切開する手術の場合は注意してください。
1. 喫煙しない
整形手術後はタバコを止めましょう。
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮する作用があります。血液は、酸素と傷を治すために必要となる栄養分を届ける重要な役割を持っています。
タバコを吸っている人の血液は酸素の量が少なく、一酸化炭素の量も多くなっています。そのため、喫煙は傷を治す力を弱めるのです。
傷を早くきれいに治すためにも、禁煙しましょう。
2. お酒を飲まない
お酒に含まれるアルコールは血行を良くするため、腫れやむくみが出やすくなります。術後1週間は、お酒を控えましょう。
また、塩分の多い食事もむくみの原因になります。ダウンタイム中は、できるだけ減塩したものを食べるように心がけましょう。
3. お風呂に浸からない
アルコールと同じで、お風呂に浸かってしまうと血の巡りが良くなり、腫れやむくみの原因になってしまいます。
いつから入浴が可能かについては、医師から指示が出ます。その指示に従って、入浴を控えるか、シャワーをさっと浴びる程度で済ませましょう。
4. 激しい運動をしない
運動も血行が良くなって、腫れの原因になってしまうことがあります。また、かいた汗が傷口に入ってしまい、細菌に感染してしまう可能性があるため、汗をかくほどの激しい運動は好ましくありません。
駅まで歩く、買い物に行く、ストレッチをするなど、体を軽く動かす程度であれば問題ありません。しかし、ランニングやテニスなど、激しい運動は1週間程度は控えましょう。
5. 患部にメイクをしない
手術後の患部へのメイクは、医師の指示に従うようにしましょう。
例えば、二重埋没法なら3日程度、切開法なら1週間程度はアイメイクが制限されます。また、目は元々とても皮膚が薄い部分です。メイクだけではなく、目をこするなど、刺激があることは避けましょう。
施術によっては、当日から患部にもメイクができることがあります。自己判断せず、医師の説明を良く聞いたうえでメイクするようにしてください。
整形後のダウンタイム中の過ごし方3選
美容整形後のダウンタイム中は、施術部位が大きいほど、手術時間が長いほど、自宅で安静に過ごすことが一番です。
ダウンタイム中は痛みや腫れのほか、「手術は成功したの?」と不安になって精神的に参ってしまうこともあります。いかにリラックスをして過ごすかが重要です。
1. 仕事は有休を取って休む
仕事をしている人は、腫れた顔で仕事に行くのは避けたいところです。
比較的ダウンタイムが少ない施術の場合でも、腫れや赤みには個人差があります。万が一に備えて、週末や3連休を利用したり、有給休暇が取れるようであれば取得することをおすすめします。
2週間程度の長いダウンタイムが必要となる施術を受ける場合は、夏休みやGW、年末年始といった長期休暇が見込める時期に手術ができるかどうか、あらかじめ病院に確認して予約しておくと安心です。
2. 自宅に引きこもって好きなことをする
腫れや内出血、むくみなどが起こるダウンタイム中は、自宅で安静にするのが基本です。
体が回復してきたら、疲れない程度に好きなことをして、リラックスしながら過ごすようにしましょう。
なお、顔の施術を受けたときは、腫れやむくみを予防するために高めの枕を使うなど、施術部位を心臓よりも高い位置にして寝ることをおすすめします。
3. この機会にダイエットする
ダウンタイム中は塩分の多い偏った食事は、むくみの原因になります。そのため、ダウンタイム中を利用して、ダイエットをすることもおすすめです。
ダイエットと言っても、健康的な食事にする、野菜を普段よりも多く食べるなど、ヘルシーな食事を心がけるだけでも、自然に体重が落ち着いていくでしょう。
ただし、激しい運動や半身浴などは、避けるようにしてください。
整形後に友達や会社にばれない3つの方法
近年は、整形したことをオープンにする人が増えてきました。しかし、できれば整形したことを他人に知られたくないという人も多いでしょう。
整形後に職場や知人にばれない方法について、3つの方法を紹介します。
1. 目と鼻など一度にいくつものパーツを手術しない
整形手術はどうしても患部が腫れたり内出血をしたりと、見た目に大きな影響が出てしまいます。そのため、仕事があって休みを多く取れない人は、目や鼻などを一度に整形しないようにしましょう。
可能であれば、できる限り有給休暇を取得して、外に遊びに行くことはせずに自宅でゆっくり過ごすことがおすすめです。
学生であれば、夏休みや春休みのような長期休暇を利用して、一度に済ませてしまうという方法も良いでしょう。
2. メイクや髪型を変えてみる
髪型を大きく変えてみたり、普段とは違うメイク方法に挑戦してみたりすると、美容整形ではなく、メイクや髪型が変わったから、印象や雰囲気も変わったのだと思わせることができるかもしれません。
3. 整形後の言い訳を考えておく
美容整形後に「目が腫れているけど、どうしたの?」「鼻をケガしたの?」と、はっきり聞かれたり、心配されたりした場合、慌ててしまうと美容整形したことがばれることがあります。
誰にもばれたくないという場合は、前もって言い訳を用意しておけば、いざというときに落ち着いて対応することができるでしょう。それでは部位別の言い訳を紹介していきます。
二重手術をしたときの言い訳
二重手術なら、メガネを活用すると良いでしょう。
普段メガネをかけていない人は、「結膜炎になった」「ものもらいになった」などと言うと納得されるかもしれません。あるいは「失恋して一晩中泣いていたからむくんじゃった」というのもありです。
普段からメガネをかけている人は、メガネを変えてみると視線がメガネにいくためごまかすことができるかもしれません。
鼻の手術をしたときの言い訳
鼻の整形手術は顔の中心ですから、腫れると目の美容整形より目立ってしまう可能性があります。
その場合は、大きめのマスクが大活躍してくれます。日本では花粉や風邪予防などで、1年中マスクをしていても不思議に思われません。「花粉症だから」「風邪を引いちゃって」「インフルエンザ対策」「乾燥してるから」など、いろいろな理由をつけてダウンタイム中はマスクで過ごしましょう。
輪郭の手術をしたときの言い訳
輪郭の整形手術は、一番隠すのが難しい部位です。例えば、「親知らずを抜いた」「虫歯で腫れている」などという言い訳なら、頬が腫れていてもごまかせるかもしれません。
しかし、おでこや顔全体が思った以上に腫れてしまうと、親知らずなどの言い訳ではごまかすことが難しいでしょう。できるだけ仕事や授業などを休むことがベストかもしれません。
美容整形で気になる3つの疑問
1. 整形が失敗することもある?
美容整形は「100%成功」ということはなかなかありません。というのも、技術的な失敗はもちろん、想像していた結果と違ったという失敗も少なくないからです。
医師の技術が未熟で、二重手術で目が閉じられなくなったという医療事故もあれば、自分が思ったような二重にならなかったという人もいます。
失敗するリスクはあると覚悟のうえで手術を受けましょう。
2. 整形は年を取ったらどうなるの?
整形手術をした後は、永遠にそのまま保たれるというわけではありません。
二重の埋没法の場合は、長い期間が経過すると、糸が取れて元に戻ってしまう可能性があります。ヒアルロン酸の注入では、早い人では半年ほどで体内に吸収され元に戻ってしまいます。
また、あごや鼻にプロテーゼを入れている場合も、時間と共にずれてくる可能性があります。
整形手術は永久的に保たれるものは基本的に少ないため、多少は定期的にメンテナンスをしていく必要があると考えてください。
3. 整形をして痛い部位はどこ?
美容整形には、簡単に済むプチ整形から、かなり大きな手術になる場合もあります。整形後に痛くなりやすいのは、大きく切開した場合や、骨にもメスが及んでいる場合です。
痛みが大きく出る手術としては、顎の手術があります。痛いうえに口が開かなくて、一定期間食事ができなくなってしまうこともあります。食事ができないことは想像以上に苦しく、痛みや腫れが1週間以上も続くと精神的にもかなりつらくなってしまうでしょう。
また、ルフォーという中顔面の短縮手術は、骨を切る手術のため、かなりの痛みが出るうえに、後遺症が出る可能性があります。骨まで手を入れる必要がある手術には、このようなリスクがあることを覚えておいてください。
まとめ
整形後のダウンタイム期間は、施術によって大きく異なります。
ダウンタイム中は、体だけではなく心にも負担がかかります。思い切ってゆっくり家で休むようにしましょう。ダウンタイム後にきれいになった自分に会うのを楽しみに、この時期を乗り切ってください。