目尻靱帯移動術でタレ目やつり目になれる?費用やデメリットも紹介
目は、その人の印象を決める、重要なパーツのひとつです。目尻が上がっていると、つり目となって若々しくちょっときつい印象を、下がっていればたれ目で優しい印象を与えてくれるように、目尻の角度によって、第一印象は変わります。
目尻に関する美容整形のひとつ「目尻靱帯移動術」は、目尻の位置を変えることができます。
どのような施術法なのか、ダウンタイムや費用とともに解説していきます。

この記事の監修者:松本 茂
患者様の細胞レベル1つ1つまで気を配って治療するよう心がけています。大小様々ですが悩みの場所を少し変えることで生活そのものが明るくなると思います。2007年4月 順天堂大学卒業
2009年4月 順天堂大学大学院医学研究科入学 形成外科
2009年4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 形成外科
2012年10月 順天堂大学医学部附属浦安病院 形成外科
2013年4月 順天堂大学大学院医学研究科卒業
2015年4月 順天堂大学医学部附属浦安病院 医局長
2017年1月 順天堂大学医学部附属静岡病院 形成外科部長
2018年5月 ヴェリテクリニック入職
2021年9月 ヴェリテクリニック大阪院 院長
このドクターについて詳しく見る目尻靱帯移動術とは?
目尻靱帯移動術とは、目尻にある目尻靱帯の位置を変えることによって、目尻を上げたり下げたりすることができる施術法です。
まず目尻を切開して、目尻靱帯と目尻側の上まぶたと下まぶたの筋肉の一部を骨からはがします。そして、目尻が希望する角度になるよう、目尻靱帯を糸で骨に留め縫合するというものです。
目尻靱帯移動術が向いている人
目尻靱帯移動術は下記のような悩みを持つ人に有効です。
若い女性の間では、タレ目メイクが流行っていることもあり、メイクをしなくても目尻を下げてタレ目にしたいという人が増えています。
しかし、目尻靱帯移動術では、目の大きさそのものを変えることはできません。そのため、目を大きくしたい場合は、グラマラスライン形成術(タレ目形成術)がおすすめです。また、目尻靱帯移動とグラマラスライン形成術の同時施術はダウンタイムや術後の仕上がりにリスクがあるため、1施術ずつ行うのが普通です。
目尻靱帯移動術の施術概要
目尻靱帯移動術の手術時間や、麻酔などについては下記のとおりです。
手術時間 | ~1時間 |
---|
麻酔 | 局所麻酔、笑気麻酔、全身麻酔 |
---|
抜糸の有無 | あり。抜糸は約1週間後 |
---|
通院 | 術後、定期的に検診に通う必要あり |
---|
目尻靱帯移動術は、手術時間が30分程度です。麻酔を使用するため、手術時に痛みを感じることはありません。クリニックによって使用する麻酔の種類は異なるため、施術の説明の際に確認しておきましょう。
術後1週間で抜糸を行い、その後は施術部の状態を確認するため、2~3回の通院が必要となる場合があります。
目尻靱帯移動術のダウンタイム
目尻靱帯移動術は、術後に腫れやむくみ、内出血が出る場合がありますが、多くは1~2週間程度で目立たなくなります。
患部の赤みも術後1か月ほどで解消しますが、自然な目元になるまでには、約2~3か月かかります。その間は、傷口を強くこすったり、刺激を与えたりしないように注意しましょう。
また、施術後は目ヤニが出やすくなるため、手術の翌日から水で洗うようにしてください。
ダウンタイム中の注意点
ダウンタイム中の過ごし方について、注意点を下記にまとめたので参考にしてください。
シャワー、シャンプー | 当日から可能。ただし傷口を濡らさないように注意する 入浴は術後2日後から、ただし長時間入らないこと |
---|
洗顔 | 抜糸後2日後から可能 |
---|
メイク | 抜糸後2日後から可能 |
---|
コンタクトレンズ | 抜糸後可能 |
---|
運動 | 軽い運動は術後1週間から、激しい運動は術後1か月後から可能 |
---|
顔や目元のマッサージ | 術後1か月後から可能だが、目元は強くこすり過ぎないように注意する |
---|
喫煙、飲酒 | 術後1か月から可能 |
---|
上記の注意点は一般的なものであり、美容クリニックによっても異なる場合があります。ダウンタイムの過ごし方や注意点については、医師からの指示に従うようにしましょう。
リスクや副作用
目尻靱帯移動術を受ける前に、必ずリスクについても確認しておくことが大切です。
考えられるリスクは下記のとおりです。
感染(化膿)
手術には、少なからず感染のリスクが伴います。腫れがいつまでも引かない、患部にいつまでも熱がある場合は化膿している可能性があります。
色素沈着
体質によって、傷跡に色素沈着が起こる場合があります。色素沈着はクリニックによって、ハイドロキノンクリームを塗る治療をすすめられることがあります。
血が溜まる
術後に傷の中で出血した場合、患部の腫れが強く出ます。早急に対応する必要があるため、患部が思った以上に腫れるなど、異常を感じたらすぐにクリニックに相談しましょう。
白目や角膜に傷が付く
まれに、「手術器具が目に当たる」「糸が当たる」などによって、白目や角膜に傷が付く場合があります。
上記以外でも術後に違和感を抱いた場合は、すぐにクリニックへ相談するようにしましょう。
目尻靱帯移動術の費用
目尻靱帯移動術の費用は、美容クリニックによって異なりますが、300,000円~500,000円前後が目安となります。
また、目尻靱帯移動術は施術ができる美容クリニックが限られる施術法です。施術を受けるクリニック選びは、とても重要となります。
目尻靱帯移動術のデメリット
目尻の角度を変えることで、目元と顔の印象を大きく変えることができる目尻靱帯移動術には、デメリットやトラブルもあります。
術後、後戻りしやすい
目元の表情筋の力が強い場合は、日常生活で目を動かしているうちに、元の形に戻ってしまう「後戻り」が生じてしまいます。
また、まぶたの組織と、その周りの骨の癒着が強い場合も、後戻りしやすいとされています。
左右の目で位置に違いが出ることがある
目尻靱帯移動術で固定した目尻靱帯の位置が左右で違う場合や、後戻りをする力が左右で違う場合は、左右の目の角度や位置が違ってきます。
術後に明らかに左右で位置が違う場合は、早めにクリニックに相談しましょう。
効果が大き過ぎるトラブルも
術後1か月ほどは皮膚に突っ張る感じが強く、まぶたも開きにくくなります。そのため、「目尻が下がり過ぎている」「上がり過ぎている」ように見えることがあります。
目尻靱帯移動術では術後に後戻りすることもあるため、目元の痛みや違和感が落ち着いた後も、しばらく様子を見る必要があります。術後3~4か月を過ぎても「左右差が大きい」「たれ目になり過ぎている」と仕上がりに満足できない場合は、医師に相談をしてください。
目を大きくしたいなら他の手術も検討を
目尻靱帯移動術は、目尻の位置を変えるだけの施術法です。そのため、この施術法だけでは、目を大きくすることはできません。
目尻の角度を変えるだけではなく、大きくパッチリした目にもなりたいときは、「グラマラスライン形成術(タレ目形成)」や「目尻切開」などの施術法も行う必要があります。ただしこれらは同時に行うとリスクがあるため、順番に一つずつ行いましょう。3つを行う場合は、靱帯移動→目尻切開→グラマラスライン形成術の順番がおすすめです。
また、さらに一重まぶたを二重にしたいというときは、二重瞼形成術を行うこともできます。カウンセリング時に具体的な理想の目はどのようなイメージなのか、医師にしっかり伝えると、最適な施術法を提案してくれるでしょう。
もし言葉での説明が難しい場合は、理想とする目の写真を持っていくのもおすすめです。
韓国でも受けられる?費用は?
美容整形大国として韓国は有名なため、目尻靱帯移動術を受けるために渡韓する人も増えています。
韓国で目尻靱帯移動術を受ける場合の費用は、およそ150万ウォン(約150,000円)程度が目安です。日本と比べるとかなり安い費用で施術を受けることができます。
費用は安いものの、韓国やそのほかの海外で美容整形を受けることは、デメリットもあるため注意が必要です。
海外で美容整形を受けるときの注意点
修正手術をするためには、再び韓国の美容クリニックを受診しなければなりません。しかし、術後のアフターケアは別途費用がかかってしまうため、結局日本の美容クリニックで修正手術を受けたという人もいます。
また、目尻靱帯移動術に限らず、海外で美容整形を受ける場合は、機能的なトラブルのほかに仕上がりに対するトラブルも多くあります。これは医師の技術水準差のほか、美に対する意識の違い、そしてなにより言語の違いによって意思疎通がうまくいかなかったことが原因といえます。
費用の面だけで施術を受ける美容クリニックを決めるのではなく、経験豊富なことはもちろん、カウンセリングや診察の際に自分の悩みや、思いに誠実に応えようとしてくれる医師かどうかをしっかり見極めることが重要です。
まとめ
目の印象を変える目尻靱帯移動術は、比較的短時間でできる手術です。しかし、それだけでは目を大きくしたり二重まぶたにしたりすることはできないため、別の施術法を組み合わせる必要があります。
どんな目になりたいのか、仕上がりイメージをカウンセリングでしっかり医師に伝えて、理想の目を手に入れましょう。