ピーリングはクリニックが一番!?ダウンタイム・費用・自宅施術を検証
毛穴の黒ずみやくすみといった、日頃から感じている肌の悩みは、もしかしたらターンオーバーが正常にできていないことが原因かもしれません。
そこで、古い角質を取り除き、皮膚の再生を促す治療に「ケミカルピーリング」があります。
今回はピーリングの効果、費用、注意点を中心に解説していきます。
ピーリングとは?
ピーリングとは、肌表面の古い角質を取り除き、新陳代謝を促すことによって毛穴の黒ずみやニキビ、くすみといった肌トラブルをケアする美容法です。
肌の新陳代謝、つまり肌の生まれ変わりのことをターンオーバーと呼びますが、年齢とともにターンオーバーのサイクルが乱れてくると、「なかなか吹き出物が治らない」「シミが濃くなった」のような肌トラブルが現れてきます。
ターンオーバーの乱れたサイクルを、正常にする手助けをしてくれるのがピーリングです。
ケミカルピーリングと物理的ピーリングの2種類あります。前者は薬剤によって角質ケアをしますが、後者はレーザーや特殊な機器を用いて角質ケアを行います。
今回は、美容クリニックやエステサロンでも行われている「ケミカルピーリング」について解説していきます。
ケミカルピーリングとは?
ケミカルピーリングは酸を利用して、皮膚の表面を溶かし、皮膚の修復力をはかってシミやしわ、くすみを改善していく施術法です。
肌の角質を柔らかくし、ターンオーバーを活性化させるとともに、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促し、さらにはメラニンの生成を抑制する効果や、毛穴ケアにも効果が期待できます。
近年日本でもケミカルピーリングは身近に行われるようになりましたが、その歴史は古く、ヨーロッパやアメリカでは長年、ピーリングに使用する薬品の研究が進められてきました。
ケミカルピーリング剤の種類
肌の角質を取り除くことで、ターンオーバーの正常化を促すケミカルピーリングは、刺激の強い薬品だと、かえって肌荒れや肌トラブルを招きかねません。
アメリカで研究された結果、なるべく肌にダメージを与えない、かつ効果が高い薬品として広く使われるようになったのがアルファヒドロキシ酸(AHA)でした。
アルファヒドロキシ酸はフルーツや、サトウキビなどから抽出される酸で、いわゆる「フルーツ酸」と呼ばれるものです。その結果、現在は主にフルーツ酸を使用したケミカルピーリングが行われています。
ケミカルピーリングでは、主に3つのピーリング剤が使用されています。
フルーツ酸(グリコール酸) | 粒子が小さいので、浸透性が高い。ニキビ治療・シミ・くすみ・毛穴の黒ずみ・肌の色むらの改善・保湿効果 |
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ラクト(乳酸) | 天然乳酸が主成分。肌に刺激が少なく、保湿・美白作用が特徴。シミ・くすみ・色素沈着・肌の色むらを改善 |
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サリチル酸マクロゴール | 角層以外の細胞を傷つけないので、炎症が起こりにくい。しわ・たるみを改善 |
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美容クリニックとエステでは濃度が異なる
ケミカルピーリングは医療行為のため、一般的に美容クリニックや皮膚科で行われるものです。エステサロンでも、ピーリング剤の濃度を薄くして化粧品とすることで、ケミカルピーリングとうたって行われていることがあります。
ただし、ケミカルピーリングは、2006年に厚生労働省が医療と認めており、日本皮膚科学会がケミカルピーリングのガイドラインの中で、皮膚科専門医か、それ同等の技術・知識を持つ医師が行うべきと提唱しています。
そのため、ケミカルピーリングを受けるのであれば、安全性も考慮して、エステサロンではなく美容クリニックを受診することをおすすめします。
イオン導入と併用で効果アップ
ケミカルピーリングとセットでの使用を推奨されているのがイオン導入です。微弱電流を流し、肌にイオン化した有効成分を浸透させる効果があります。
イオン導入で用いられる成分は以下のとおりです。
トラネキサム酸 | 美白効果・肌荒れ改善効果・肝斑に効果あり |
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プラセンタ | 肌の新陳代謝を促進・美白効果・抗炎症効果・高保湿作用 ・小じわ・乾燥肌 |
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グリシルグリシン | 毛穴ケア・乾燥肌改善 |
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つまり、ケミカルピーリングで古い角質を取り除いた肌に、イオン導入を行うことで、さらに高い効果が期待できるわけです。
ひどいニキビ跡や色素沈着は、自分の力だけではなかなかケアできない場合があります。そのような人には美容クリニックで受けられるケミカルピーリングがおすすめです。
ケミカルピーリングの効果
キレイな肌を保つためには、何よりもターンオーバーが大切です。
毎日肌の奥底では新しい細胞が誕生していますが、日々成長しながら上へ上へと肌の奥から表面へと上がり、肌表面までくると垢(あか)となって落ちていきます。
これがターンオーバーの一連の流れです。正常なターンオーバーは28日周期と言われていますが、生活習慣、食事、睡眠不足、年齢などさまざまな要因で周期は長くなり、「ニキビが治りにくい」「シミが濃くなった」といった肌トラブルが絶えなくなってきます。
ケミカルピーリングは、そのような乱れたターンオーバーを正常化する手助けをし、ニキビや開いた毛穴、シミ、くすみ、しわのケアに効果があります。
中でも、ニキビや毛穴ケアとして特に有効とされているため、もう少し詳しく説明していきます。
角質ケアでニキビを改善
ニキビができる流れとして、まず皮脂の分泌が増加することで毛穴が開きます。次に、開いた毛穴に汚れや角質が溜まり、そこにアクネ菌が混ざって炎症を起こすことでニキビとなってしまうのです。
ケミカルピーリングを行うと、古い角質を取り除いて毛穴の詰まりを解消し、アクネ菌を殺菌して、皮膚を正常な状態に整えることができます。
継続して行うことで、ニキビのできにくい肌へと改善していくことができるのです。
毛穴へのアプローチ
毛穴の開きや詰まりは、皮脂の過剰分泌が原因のひとつです。皮脂の過剰な分泌は、毛穴を開かせ、汚れや角質が皮脂と混ざり合うことで角栓となり、毛穴詰まりを引き起こします。
また、角栓を放置すると酸化して、毛穴の黒ずみとなって、より目立つようになってしまいます。特に、小鼻の黒ずみに悩んでいる人は非常に多いでしょう。
そこでケミカルピーリングを行うことで、皮脂や古い角質を取り除き、ターンオーバーを正常化させて、毛穴の目立ちにくい肌へと生まれ変わることできます。
ケミカルピーリングのダウンタイム
化学薬品を使用して肌の表面を溶かすケミカルピーリングは、肌に多少なりと刺激を与えることになります。そうなると気になるのはダウンタイムです。
どのような症状がどのくらい続くのか見ていきましょう。
施術部位の赤み
ケミカルピーリングは化学薬品を使って皮膚の角質を無理やり剥がすため、肌には強い刺激が加わります。そのため肌が弱い人は、施術箇所が赤くなってしまうことがあります。
ほとんどの場合、施術後の赤みは数時間で引くため、ケミカルピーリングはダウンタイムが少ない治療法と言えるでしょう。
ただし赤みが引いても、肌がダメージを受けていることには変わりありません。施術後はしっかり保湿を行い、紫外線にも気を付けるようにしましょう。
ダウンタイム中の注意点
ケミカルピーリングはダウンタイムが少ないことから、多くのクリニックでは、施術を受けた直後からメイクを可能としています。そのため、施術後にクリニックでメイクをして、そのまま遊びに出かけるといったこともできるわけです。
しかし、肌の状況にはそのときの体調にも左右されます。少しでもかゆみや痛みが出た場合は、メイクを控えるようにしましょう。
また、化粧品に配合されている成分によっては、肌に大きな刺激となってしまう場合もあります。気になる場合は、医師にあらかじめ確認しておきましょう。
メイクする場合は、通常よりも敏感肌になっているため、メイク前にしっかりと保湿クリームや日焼け止めを塗ることを徹底することが大切です。
ケミカルピーリングの施術費用
ケミカルピーリングの費用は、美容クリニックや使用する薬剤によって異なります。
そこで費用の目安をまとめました。
また、同時に行われることが多いイオン導入についても、費用をまとめたので参考にしてください。
フルーツ酸 | 7,000円~9,000円 |
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ラクト | 7,000円~9,000円 |
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サリチル酸マクロゴール | 7,000円~10,000円 |
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トラネキサム酸 | 3,000円~5,000円 |
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プラセンタ | 3,000円 |
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グリシルグリシン | 3,500円 |
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美容クリニックによっては、1回だけではなく、例えば10回セットのようなセット料金や、ケミカルピーリングと同時にイオン導入を行う場合に割引料金が設定されているところもあります。
問い合わせをする際は、そのようなサービスがあるかどうかについても確認するとよいでしょう。
ケミカルピーリングは健康保険適用外
ケミカルピーリングを受ける目的は人それぞれですが、特に重度のニキビに悩んでいる場合に施術を検討する人も多いでしょう。
ニキビの治療を目的としてケミカルピーリングを受ける場合に健康保険が適用されるかどうか気になりますが、残念ながら保険適用外です。
治療を目的として皮膚科や美容クリニックを受診したとしても、施術は自由診療です。
ただし、ニキビをはじめとした肌トラブルの治療法は多岐にわたっており、内服薬や塗り薬といった、健康保険適用内の治療も可能です。
ケミカルピーリングのみを治療法として考えるのではなく、まずは医師に肌の状況を診断してもらい、適切な指示を仰ぐようにしましょう。
通院による費用の増加
ケミカルピーリングの治療は1回では終わらず、通院する必要があります。肌の状況によって変わりますが、期待される効果が現れるまでに5~10回程度の通院が必要です。
さらに、通院にはインターバルをおく必要もあることから、短期間ですぐに肌が改善するわけではありません。肌の回復状況によってはその都度、使用する薬剤を使い分けることもあり、そうなると毎回料金が同じというわけにはいかなくなります。
1回の治療費は安かったとしても、効果が実感できるまでにどのくらいの費用がかかるかは、通院回数や処方される薬で変わってきます。カウンセリング時にどのような施術が何回ほど必要か、しっかり確認するようにしましょう。
韓国でピーリングするときの注意点
世界有数の美容大国である、韓国でもピーリングエステは非常に人気です。
特にアクアピーリングという、吸引機で毛穴の汚れを吸い取り、同時に美容液を浸透させる施術は効果が高いと人気です。顔の骨格矯正であるコルギとセットでの施術を希望して、わざわざ韓国まで足を運ぶ人も多いようです。
海外で美容整形を受ける場合は、注意しなければならないことがあります。
ケミカルピーリングに関わらず、美容整形は施術後にトラブルが発生する可能性があります。
日本では、施術の失敗や何かしらのトラブルがあった場合に、クーリングオフ制度や消費者生活センターに相談するなど、消費者を守るための法律や相談機関があります。一方で、海外で受けた美容整形に、日本の法律は適用されません。
つまり、いざというときには自分で解決しなければならないわけです。海外で美容整形を受ける場合は、万が一のトラブルについて対応策を検討した上で、施術を受けるようにしましょう。
ピーリングは自宅でできる?
ここまでは、主にクリニックや皮膚科で行われる、ケミカルピーリングについてみてきました。
しかし、「通院してまで行うのは面倒」「費用が心配」「もっと気軽にやってみたい」という人も多いのではないでしょうか。
手軽にピーリングをしてみたいという人に向けて、さまざまなピーリングアイテムが市販されています。価格も手頃なため、毎日のスキンケア習慣の中に、ピーリングを取り入れることも可能です。
では市販されているピーリングアイテムには、どのような種類や効果があるのか見ていきましょう。
石けんやジェルがあるが効果は薄い
自宅でできるピーリングのアイテムとしては、石けんやジェル、ゴマージュといったラインナップがあります。配合されている成分によって、プチプラ商品から高価なものまでいろいろな価格帯のアイテムが販売されています。
どの商品にするのか迷ったときは、実際の使用者の口コミや体験談を見て検討するとよいでしょう。
ホームケアのメリットとして、入浴時やテレビを見ながらのリラックスタイムに、自分の好きなタイミングでできることが挙げられます。
また、肌のことで悩んでいるけどメンズエステは行きづらい、誰にも気づかれずにケアしたいという男性にもぴったりのアイテムです。
ただし、ケミカルピーリングと比べると、ホームケアでできるピーリングの効果は低いと認識しておきましょう。
まとめ
ピーリングは、皮脂や古い角質を取り除き、ターンオーバーを正常化する効果が期待できます。
薬剤を使用するケミカルピーリングは費用がかかるものの、自宅でできるピーリングに比べて高い効果が期待できます。
特にニキビやニキビ跡に悩んでいる人は、一度クリニックのカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。