セットバックとは?ダウンタイム経過やメリット、デメリット、費用について。失敗しないため向いてない人も徹底解説!
上歯が前に出ている状態を出っ歯、下歯が前に出ている状態を受け口といいますが、上下両方の歯が前方に突出しており口元がもっこりとしている際には、上下両方の歯を後ろに引っ込める手術を行う必要があります。
この手術を、歯を全体的に後退させることからセットバック手術といいます。
この記事の監修者:藤巻 理也
大塚美容形成外科・歯科 大塚本院
日本大学松戸歯学部卒業後、日本大学松戸歯学部歯周病学教室へ入局し、その後大塚美容形成外科・歯科へ入局。現在は大塚美容形成外科・歯科副院長をしております。平成03年 日本大学松戸歯学部 卒業
平成03年 日本大学松戸歯学部 歯周病学教室 入局
平成08年 大塚美容形成外科・歯科 入局
平成13年 大塚美容形成外科・歯科副院長就任
美容歯科歴 29年
このドクターについて詳しく見るセットバックとは
セットバック手術の流れ
上下の前歯を支える顎を、口の中からアプローチし、前から4番目の歯を(第一小臼歯)
を左右両方抜歯し、そのスペースを詰めるように骨ごと前歯6本を後退させます。
後退させた後に上下の歯列部分にチタン製のマイクロプレートで固定します。
なお下顎と歯を後退させることで、オトガイ部分が前方に残ることがあります。
この場合はオトガイの先端を骨切りして、横顔のラインを整えます。
受け口の場合は、セットバック手術をすることは少なく、多くの場合矢状分割手術になります。
全体のラインを整えることがポイント
単純に前歯を後ろに倒すだけではなく、エステティックライン(鼻・口先・顎のライン)がなだらかになるように、さらに前から見た際には歯茎などが見えすぎないようになど、様々な審美的側面を考慮した上で手術を行います。
セットバックのメリット
1日の手術で出っ歯を改善できる
矯正の場合は専用の器具をはめて約1年~2年かけて少しずつ歯の位置を後退させますが、セットバック手術の場合は3時間程度で改善することができます。
歯の矯正とあわせてフェイスラインも整えられる
単純に歯を後退させるだけではなく全体のバランスを考えて骨格の調整を行います。
比較的腫れやダウンタイムが短い
口腔内は傷の治りが早いため、骨切り手術の中では比較的腫れも少なく、ダウンタイムも短い点が特徴です。
セットバックのデメリット
価格が高額
骨切り術を行うセットバック手術には医師の技術力も必要です。
そのため歯科矯正などと比較すると高額になります。
化膿、感染など
一般的な抜歯以上に口腔内の消毒を行っている他、術前・術中・術後にも抗菌剤を点滴して管理しているため感染を生じることはまれですが、切開を行った部分からばい菌が入るなどで、化膿や感染が生じることがあります。
術後数日が経過しても尋常ではない痛みや強い腫れ、熱感などが続く際には、できるだけ早く医師に相談するようにしてください。
セットバックの向いてない人
ダウンタイムが短いとはいえ、術後2週間程度は赤みや腫れが続きます。
学校や仕事を休めないという際には歯科矯正などで少しずつ改善する方法が良いかもしれません。
セットバックのダウンタイム
術後1~2週間ほどは腫れや内出血が生じます。
抜糸を2週間後に行いますが、それまでは堅い食べ物、辛い食べ物、熱い食べ物などはできるだけ避けてください。
セットバックの注意点
腫れや内出血は2週間ほどである程度引きますが、口元の骨格は比較的動きやすい部分のため、術後半年程度は前歯で固い食べ物を噛む行為は避けたほうが良いでしょう。
セットバックの手術について
歯列模型・レントゲン撮影・血液検査など、術前診査を行います。
麻酔科医の管理のもと、全身麻酔下で手術を行います。
第1小休止を抜歯して、前歯を支える骨ごと後退させます。
チタンプレート、ワイヤーで固定します。
切開部分を縫合します。
術直後は、点滴にて痛み・感染管理を行います。
創部•固定の確認を行い、退院です。
2週間後に抜糸を行ないます。
セットバックの費用感
注入する部位によって異なります。
1,000,000円~1,800,000円