お話を伺ったのは…銀座3丁目・BANNAI美容クリニック 坂内 将佑貴先生
新潟大学大学院卒業後、大手美容外科に入職。大型院院長・エリア統括を歴任し、2020年、銀座3丁目・BANNAI美容クリニックを開院。
坂内先生

当院は脂肪豊胸施術の専門クリニックとして開業しました。
独自に開発した「3D/5D注入法」により、自然なバストラインと高い定着率を追求しています。現在は国内だけでなく、海外からも多くの患者さまにご来院いただいています。
STEP 1|クリニック・医師選びの基本
満足度の高い施術には、医師との丁寧な対話が欠かせません。
まずは「どのクリニックで受けるか」ではなく、「誰に任せるか」という視点で、信頼できる医師を見極めることが大切です。
① クリニックではなく「医師」で選ぶ
坂内先生

施術の仕上がりは、担当する医師の技術や考え方によって大きく変わります。
そのため、「どのクリニックか」ではなく「どの医師に任せるか」を基準に選びましょう。
また、脂肪吸引機器の違いだけで仕上がりが大きく変わるわけではありません。機器やメニュー、価格だけで判断するのではなく、あくまで医師の技術や経験を軸に考えることが重要です。
とくに、価格の安さだけで決めてしまうのは注意が必要。大切な身体を任せる施術だからこそ、納得できる理由をもとに選びましょう。
②医師の「技術」と「美的センス」を確認
施術名:脂肪注入豊胸
価格:通常 1,353,000円、モニター 888,000円
リスク・副作用:内出血、腫れ、むくみ、痛み、感染、凸凹、しこり
坂内先生

脂肪豊胸は、単に脂肪を注入するだけでなく、自然で美しいバストラインをつくる“デザイン”が求められる施術です。
医師の技術や美的センスを、症例写真で確認しましょう。また、
- 無理な大量注入を行っていないか
- 症例写真に不自然な加工がないか
坂内先生

といった、医師としての姿勢や倫理観も、症例写真やその文言で読み取ることができる場合があります。
さらに押さえておきたいのが、脂肪吸引と脂肪注入はまったく別の技術であるという点です。
また、顔への脂肪注入とバストへの脂肪注入でも求められるスキルは異なります。
そのため、脂肪豊胸の経験がどれほどあるかという視点で医師の経験を確認しましょう。
ひとつの目安として、脂肪豊胸の経験が5年以上・症例数が500件以上ある医師であれば、トラブル対応の経験も含めて一定の安心感があります。
STEP2|カウンセリング前に知っておきたい前提知識
脂肪豊胸の満足度を高めるためには、施術の特徴や限界をあらかじめ理解しておくことが大切です。
脂肪豊胸の誤解されやすい2つのポイントを押さえておきましょう。
①「定着率」や「脂肪の加工法」に過度な期待をしない
坂内先生

「コンデンスリッチなら定着率70%」「しこりリスクが大幅に下がる」といった情報を目にすることがありますが、実際には、脂肪の定着率は平均で注入量の3割前後とされています。なかには比較的多く定着するケースもありますが、それでも大きく数値が上振れすることはまれです。
また、脂肪の加工法によって結果が大きく左右されるわけではありません。
- どのように脂肪を採取するか
- どのくらいの量を注入するか
- どのように分散して注入するか
坂内先生

といった、医師の技術や設計のほうが仕上がりに与える影響は大きいと考えられています。
こうした背景から、万が一変化が小さかった場合に備えて、サイズ保証の有無を確認しておくことも重要なポイントです。
②「脂肪をどこに入れるか」で仕上がりは大きく変わる
坂内先生

脂肪豊胸が「思ったより大きくならない」と言われる理由は、定着率だけではありません。脂肪を入れる位置に問題があることも多いです。
私は、下乳や外乳といった“バストの直径”を広げるための位置に脂肪を注入することを大切にしています。バストの直径を正しく広げられれば、実際に定着した脂肪の量を超えたバストアップ効果を出すことが出来ますから、定着率の低さを補うことが可能になります。
坂内先生

こちらは、バストが約2カップ程度アップした場合の、直径変化の一例です。
下乳・外乳方向にしっかりと広がりが出ているかどうかを美しい仕上がりの指標にしています。
しかし、谷間やデコルテのボリュームに重点を置く医師もいます。直径がほとんど変わらないままデコルテ中心に注入すると、バストの土台が広がらず、結果的に平面的で四角い印象になりやすくなります。さらに、ボリュームの位置によっては乳首の向きが下がるなど、不自然なシルエットにつながる可能性もあります。
もともとバストは丸みのある立体構造であり、シリコンバッグもその形に合わせて設計されています。脂肪豊胸でも同様に、下乳と外乳をしっかりつくり、直径を広げることで初めて自然な丸みとボリューム感が生まれます。
これらの前提を理解したうえでカウンセリングに臨むことで、医師の説明もより正確に判断でき、自分に合った施術かどうかを見極めやすくなります。
STEP3|カウンセリングで必ず確認したい3つのポイント
カウンセリングは、医師と直接話せる大切な機会。
事前に確認すべきポイントを押さえておくことで、「思っていたのと違う…」というズレを防ぎやすくなります。
ここでは、特に重要な3つのチェックポイントをご紹介します。
①担当医師が最後まで一貫して対応するか
坂内先生

せっかく信頼できる医師を選んでも、指名した医師が施術を行わず、麻酔中などに別の医師が執刀する「シャドードクター」では意味がありません。
カウンセリングから施術まで、同じ医師が責任を持って対応するかは必ず確認しておきましょう。こうした点を事前に確認しておくこと自体が、トラブルの予防や抑止にもつながります。
また、脂肪豊胸では麻酔医が常駐しないケースもあります。万が一に備えた対応体制や、担当医師の経歴・経験についても確認しておくと安心です。
②吸引量と注入量の考え方
坂内先生

私の解析データでは、脂肪の平均定着量は片胸約70cc、定着がいい方でも約140cc程度にとどまります。
定着しなかった脂肪はしこりのリスクにつながるため、安全面を考えると、注入量は平均定着量の約3倍(片胸210cc前後)までがひとつの目安です。
また、コンデンス処理を行うと脂肪量は1/2〜2/3程度に減少するため、吸引量としては800cc以下でも十分と考えられます。
③サイズ保証やアフター対応の有無
坂内先生

どれだけ経験豊富な医師が施術を行っても、脂肪の定着には個人差があり、十分な変化が出ないケースは一定数存在します。
そのため、脂肪豊胸ではサイズ保証制度があるとうれしいですね。
当院では、3Dスキャナーでミリ単位の変化を測定し、規定に満たない場合は麻酔代のみで再施術を行う保証制度を設けています。ただし、こうしたサイズ保証を設けているクリニックは多くありません。
トリビュー編集部

保証制度がない場合はどうすれば良いでしょうか。
坂内先生

保証がない場合は、価格とリスクのバランスを踏まえ、納得できる内容かどうかを慎重に判断する必要があります。
あわせて、しこりや吸引部の凹凸が生じた際の対応や追加費用についても確認しておくと安心です。
これらのポイントを押さえておくことで、カウンセリングの質がぐっと高まり、納得したうえで施術を選択できるようになります。
STEP 4|施術前後の体重管理
カウンセリング時に、術前・術後に体重を増やすよう勧めるクリニックもありますが、医学的根拠はあるのでしょうか。
ここでは、脂肪豊胸における体重管理の基本的な考え方を整理しておきましょう。
坂内先生

術前・術後ともに太る必要はありません。最低限の脂肪が採取できれば十分で、私の場合は約500ccの採取でも十分な変化が出せると考えています。
脂肪が定着した後に体重が増えれば、サイズアップする可能性はあります。ただし、それは「注入した脂肪を守った結果」ではありません。
体重は減らさず、維持するだけで十分です。
STEP 5|カウンセリング後の判断軸
カウンセリング後、すぐに施術を決める必要はありません。
得た情報を一度整理し、自分にとって本当に納得できる選択かを冷静に考えることが大切です。なお、術後の満足度が高い方・低い方には、それぞれ共通する傾向があります。
坂内先生

後悔される方に多いのは、次のようなケースです。
- 脂肪豊胸に対する正しい知識がないまま判断している
- 断る勇気がなく、カウンセラーに言われるがまま施術を受けてしまう
- 医師で選ばず、価格の安さや使用機器で選んでいる
- 注入した脂肪の量を考えず、直後の症例写真や大量注入した結果を見て判断している
坂内先生

定着や仕上がりは、値段や方法で決まるものではありません。最終的に結果を左右するのは、医師の技術と経験です。
一方で、仕上がりに満足されている方には、次のような共通点が見られます。
- 脂肪豊胸について勉強している
- 小さな変化(1〜2カップアップなど)に価値を感じられる
坂内先生

『安いから』といった理由で、勢いで決めると後悔しやすい傾向があります。
一方で、費用に迷いながらも慎重に選んだ場合は、仕上がりへの満足度が高い傾向があります。
脂肪豊胸に限らず、美容医療は勢いや価格で決めるものではありません。納得できる理由が揃ってから受けるものです。
知識を持ち、自分の価値観と向き合いながら判断することが、後悔しない選択につながります。
後悔しないためには、準備と対話が重要
脂肪豊胸で満足のいく結果を得るためには、クリニックや医師の名前だけで判断するのではなく、施術の考え方や設計を理解したうえで選ぶことが大切です。
正しい知識を持ち、医師と丁寧に対話を重ねながら判断することが、後悔のない選択と理想のバストへの近道になります。