エラの骨削りはリスクがある?ダウンタイムや費用を解説
「エラをなくしたい」「ホームベースのような輪郭を何とかしたい」という悩みに対する美容整形には、エラの骨削りがあります。実際どのように骨を削るのか、エラを削って問題はないのか、気になる人もいるでしょう。
今回は、エラの骨削りについて、施術内容やリスク、費用について説明していきます。
この記事の監修者:草野 太郎
くさのたろうクリニック
昭和大学 形成外科医局 18年間所属
昭和大学 ブレストセンター5年間所属
【略歴】
2001年
帝京大学医学部卒業。同年昭和大学形成外科入局
その後各地の昭和大学形成外科関連病院において研鑽を積む
2008年
clinical observership : Chang Gung Memorial Hospital(Taiwan)
2008年
千葉県救急医療センター 形成外科医長
スペシャリティ:マイクロサージャリー・外傷
2013年
昭和大学形成外科 助教
2014年
昭和大学 ブレストセンター所属 形成外科乳房再建班チーフ
スペシャリティ:乳房再建 サブスペシャリティ:顎変形
2017年
昭和大学江東豊洲病院 講師
2019年3月
clinical observership : MD Anderson Cancer Center (Houston)
2019年6月
くさのたろうクリニック 開院
このドクターについて詳しく見るエラの骨削りとは?
エラのない適度な丸みをおびたきれいな輪郭であれば、ショートヘアやアップヘアなど、自信を持って自分の好きな髪型にすることができます。
エラの骨削りを行えば正面から見た顔だけではなく横顔にも変化が出るため、長年のコンプレックスを解消することができるでしょう。
では、エラの骨削りとは具体的にどのような施術なのか説明していきます。
エラの骨削りの施術内容
エラが目立ってしまう原因には、エラ周りの筋肉・脂肪・骨の3つがあります。この中で「骨」が原因と診断されたときには、エラの骨削りが有効になります。
まず、カウンセリング受けて希望するフェイスラインを医師に伝えます。CT検査を行い、どのようなラインに骨を切るのか擦り合わせます。
手術は全身麻酔で行われ、口腔内から行われます。下歯茎の奥を3cmほど切開して、専用ののこぎりを使用して骨を切っていきます。全体のバランスを見ながら骨の調整が終わったら、切開部分を縫合して終了です。手術は、2〜3時間程度で終わります。
傷跡は外側から見えない
あごに広範囲にメスを入れるとなると、大きな傷跡ができてしまいそうなイメージを持つ人もいるでしょう。エラを削る場合は、基本的に口腔内からアプローチする術式で行われるため、見える場所に傷跡は残りません。
術後にむくみが発生し、しばらくは顔が腫れますが、顔に傷が残らないことは大きなメリットになるでしょう。
しかし、口腔内に大きなダメージが生じます。術後は、食事に制限が出たり、話しにくかったり、多少の支障が出ます。
エラの骨削りのダウンタイム
エラの骨削りを検討する場合は、手術当日だけではなく術後のダウンタイムも含めたスケジュールを組むことが重要です。それでは、具体的なダウンタイムについて見ていきましょう。
痛みは1〜2週間で治まる
手術中は麻酔が効いているため痛みはありませんが、麻酔が切れると痛みは出てきます。痛みは我慢せず、クリニックから処方される鎮痛剤を服用して、安静に過ごすようにしましょう。
1~2週間ほどで痛みは治まってきます。痛みが改善せずに、増していくようであれば、感染症などの疑いがあるため、クリニックに連絡しましょう。
腫れは1か月ほど続く
エラの骨削りは、術後におたふく風邪にかかったときのように腫れます。個人差はあるものの、早い人では1か月、長ければ3か月以上腫れが続きます。
腫れが目立つようであれば、外出するときはマスクの着用をおすすめします。
術後5日間ほどは圧迫が必要
顔の腫れや出血を抑えるために、術後1週間程度は包帯や専用のフェイスバンドによる圧迫が必要です。圧迫している状態は目立つため、仕事や学校に行くことは難しいでしょう。
圧迫が必要な期間も考慮して手術スケジュールを立てることがポイントです。術後に無理をしてしまうと回復のスピードに影響が出ます。無理のないプランを考えるようにしましょう。
術後1週間の食事は柔らかいものを
あごの骨を削っているため、しばらくの間は口を開くことが難しい状態です。クリニックによっては、翌日から普通の食事を許可するところもありますが、あごに負担がかからないよう、柔らかい食事が望ましいでしょう。
また、術後は感覚も鈍くなっているため、1週間~2週間は熱いものや、からいものは控えてください。
3か月間の定期検診が必要
エラの骨削りでは、術後3か月間は定期検診があります。多くのクリニックで術後2~3回程度の通院が必要となります。
通院のために仕事や学校を休む必要がある人は、術後のスケジュールについても、しっかり確認しておくようにしましょう。
エラの骨削りのリスク
エラの骨削りを行うと、正面や横から見て理想的な輪郭を描くことができます。しかし、後遺症など日常生活に影響を及ぼすリスクがあることも知っておく必要があるでしょう。
そこで、エラの骨削りを行った場合、起こりうるリスクについて解説していきます。
オトガイ神経に障害が残ることがある
エラの骨削りを行った場合、「オトガイ神経」に障害が残る可能性があります。オトガイ神経とは下あごの三叉神経のことで、唇やあご周辺に関係しています。
この神経に障害が起きると、下あごから唇、口の中、歯肉にピリピリしたしびれを感じたり、触っても何も感じなかったりする症状が現れます。多くの場合は1年以内に治まりますが、まれに完全に元に戻らないこともあります。
あご周りの皮膚がたるむことがある
エラの骨削りを行うと、歳を重ねるごとに皮膚がたるむ場合があります。骨を削っても周辺の筋肉や脂肪量はそのままのため、将来的にバランスが崩れてくる可能性があるのです。
たるみが気になってきたときは、医師に相談するとよいでしょう。
エラの骨削りの費用
エラの骨削りの費用は、クリニックによって異なりますが、800,000~1,500,000円が目安です。このほかに術前に行う検査の費用や、術後の通院費用も必要です。
高額な手術になるため、費用面でエラの骨削りを諦める人もいるかもしれません。クリニックによっては、モニターを募集している場合があります。写真公開などの応募条件に同意できる場合は検討してもよいでしょう。
エラの骨削りを受けるクリニックの探し方
施術を受けるためにネットで検索してみると、数え切れないほどのクリニックが出てきます。エラの骨削りには、神経麻痺などのリスクがあるため、医師選びが重要です。そこで、信頼できるクリニックや医師を探すときのポイントを紹介します。
シミュレーションをしっかり行うクリニックを選ぶ
一度骨を削ると元には戻せないため、医師とデザインについてよく擦り合せる必要があります。
エラの骨削りを施術する前にはしっかりカウンセリングを行い、顔をCT検査や3Dプリンターなどを用いて分析するクリニックがほとんどです。シミュレーションを徹底していて、丁寧に希望を聞いてくれる医師を選びましょう。
個人の経過ブログや口コミは参考程度にする
美容整形を検討しているときに参考になるのは個人のブログやSNSによる口コミです。しかし、ネット上の体験談や口コミは施術を検討する際の参考程度にし、情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう。
身体の状態や骨格、体質は個人差が大きく、同じ施術を受けたとしても必ず同じ結果になるとは限らないからです。
また、カウンセリングの結果、考えていなかった施術が最適と判断される場合もあります。最終的には医師とじっくり相談したうえで決めることが重要です。
韓国でエラの骨削りをするときの注意点
近年は、韓国まで美容整形を受けに行く日本人が増えています。注意点として、韓国で美容整形を受けて何かトラブルがあった場合は日本の法律は適用されません。消費者センターの相談窓口でも対象外になるため、気をつけましょう。
また、言葉の壁があるため自分の思い描いていたイメージと、医師のイメージに差異が出ることが考えられます。韓国で美容整形を行う場合は、より一層医師とのコミュニケーションが必要になるでしょう。術後にトラブルが起きたら心身的なストレスとなり、更に費用がかさむリスクがあることも、十分頭に入れておきましょう。
まとめ
エラの骨削りは、顔の輪郭を大きく変え、コンプレックスを解消してくれる手術です。しかし、顔の神経に障害が残るなど、大きなリスクもあります。
手術を受ける際は、メリット・デメリットの両方を理解したうえで、時間をかけてでも信頼できる医師を見つけることが重要です。