歯のセラミック治療とは?メリット・デメリットと費用を紹介
虫歯の治療後、金属製の被せものが目立って気になる人はいませんか。人前で笑うことができない、口を開けたくないという人は、セラミックの白い歯に変えることで自信が持てるようになるかもしれません。
今回は、セラミック治療の特徴と費用について解説します。
この記事の監修者:水谷 倫康
渋谷ルーブル歯科・矯正歯科
愛知学院大学歯学部を現役で卒業。同大学で研修医を経て現在の医療法人清翔会に入社。入社2年目に名古屋駅にあるエスカ歯科・矯正歯科の分院長に就任。5年目の現在、東京渋谷に渋谷ルーブル歯科・矯正歯科の分院長に就任。その間5年間、名古屋の某審美歯科クリニックの代診を勤め、また矯正歯科の監修も勤めました。歯科医師になってから月に一度の勉強会の参加は欠かさず、様々な認定医の獲得。得意な治療は矯正治療全般と審美治療。H26年 愛知学院大学歯学部 卒業
H26年 歯科医師免許証 取得
H27年 臨床研修修了 登録
H27年 エスカ歯科・矯正歯科 常勤医師
H27年 岡崎エルエル歯科・矯正歯科 非常勤医師
H27年 ファミリー歯科 矯正監修
H28年 エスカ歯科・矯正歯科 院長就任
このドクターについて詳しく見るセラミック治療とは?
セラミック治療とは、陶器と同じ材質からできている人工歯を用いた治療です。虫歯や歯が欠けた際の詰め物や被せ物に使用されたり、歯並びや色、形の改善などに用いられたりします。すでに入れた金歯・銀歯の詰め物をセラミックに替えることもできます。
セラミックの材質の特徴から、治療した歯と周りの歯の見た目はほぼ変わりません。また、セラミックを詰めた後に虫歯を再発しにくいことも特徴です。
治療の流れ
セラミック治療の流れは、次にようになります。
カウンセリング
歯の検査
レントゲン、CT検査などを行います。
歯の形成
歯を必要な分削ります。
土台を作る
歯が残っておらず、必要があれば人工の土台を作ります。
仮歯を作る
型を取る
仮歯を取ってセラミック歯を被せる
虫歯や歯周病の治療、根管治療(歯の根の血管や神経の治療)が必要になると、さらに工程が多くなることがあります。
セラミックの種類
セラミック治療に使用されるクラウン(差し歯)には、複数の種類があります。その中からいくつかの材質について紹介します。
オールセラミック
セラミックのみでできたクラウンです。前歯によく使用される種類で、ツヤがあり、色の種類も豊富です。
ハイブリッドセラミック
セラミックとレジン(プラスチック)でできたクラウンです。オールセラミックほどの自然なツヤや透明感はないものの、値段は安い傾向にあります。
メタルボンド
表側はセラミックで、裏側は金属でできているクラウンです。耐久性が高く、歯ぎしりの癖がある人に適しています。裏側から見ると審美性に欠け、歯茎が変色するリスクはあるものの、強度があるためよく使用されています。
ジルコニア
ジルコニアは人工のダイヤモンドと呼ばれるほど強度があり、主に奥歯に使用されます。天然の歯の色とは、多少白さが異なります。
ジルコニアでできているクラウンのみを使用する方法を「フルジルコニア」、ジルコニアの土台にセラミックを被せる方法を「ジルコニアレイヤリングセラミック」と呼びます。
セラミック治療にかかる費用
セラミック1本あたりの費用の目安をまとめました。治療で神経を抜いた場合は、セラミックの歯(クラウン部)のほかに人工の土台を作成することになるため、その分費用もかかってきます。
ジルコニアとセラミックは保証がついていることもあるので、詳しくは医師に直接聞くようにしましょう。
オールセラミック | 90,000~130,000円 |
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ハイブリッドセラミック | 60,000円前後 |
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メタルボンド | 100,000円前後 |
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ジルコニア | 90,000~200,000円 |
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セラミックは割れやすい?寿命はどれくらい?
セラミックは陶器の材質であると説明しましたが、割れやすい性質があります。
高額の費用を支払ってセラミックにしても、寿命が短いと困ります。そこで、セラミックの歯の寿命がどれくらいなのか見ていきましょう。
材質 | 耐久年数 |
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セラミック | 10年~ |
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金属製(金歯・銀歯) | 5~10年 |
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レジン(プラスチック) | 2〜3年ほど |
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上記の表から年数だけを見ると、耐久性に優れているのはセラミック製であると言えるでしょう。ただし、セラミックは強い力がかかると割れやすいため、長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必要です。
セラミック治療のメリットとデメリット
セラミック治療は費用がかかるものの、長期的に見ると多くのメリットがあります。
セラミック治療のメリットとデメリットについて説明します。
メリット
デメリット
セラミックの土台を作るときに平らにする必要があるため、どうしても健康な歯を削る量が多くなってしまいます。迷った際は取りあえずレジンで白い詰め物をして、後でセラミックの歯に取り替える方法もあります。
セラミック治療の歯を長持ちさせるポイント
どのようにすればセラミックの歯を、長持ちさせることができるのか見ていきましょう。
定期的にクリニックでメンテナンスを行う
セラミックの歯を長持ちさせるには、クリニックに定期的に通って口腔内環境を良好に保つことが大切です。3~6か月おきに歯の汚れを取るメンテナンスを行うことで、虫歯や歯周病にかかるリスクを抑えられます。
メンテナンスにかかる時間は、30分~1時間ほどです。面倒と思っても時間を作って歯を長持ちさせましょう。
ナイトガードを使用する
セラミック治療では歯を削るため、歯ぎしり・食いしばりをする人は歯を痛めやすくなります。歯に強い力がかかると、セラミックの歯が割れてしまうこともあるでしょう。
食いしばりの癖がある人は、就寝時にナイトガード(マウスピース)を装着すると歯を痛めずに済みます。気になる人は歯科医師に相談しましょう。
ボトックス(ボツリヌス注射)で噛む力を弱くする
ボツリヌス注射に含まれる成分「ボツリヌス・トキシン」は、筋肉の動きを阻害する効果があります。そのため、これを利用して一時的に筋肉の動きを麻痺させ、噛む力を弱くすることが可能です。
まとめ
セラミック治療は審美性が高く、金属アレルギーの方でも受けられるメリットがあります。その反面、費用は高く、強い力がかかると割れるリスクがあります。
セラミッククラウンの種類はいくつかあるため、カウンセリング時に内容を確認してから選択することをおすすめします。