取材したのは…KAGA CLINIC 加賀裕基院長。岐阜大学医学部医学科卒業後、名古屋第二赤十字病院勤務やルラ美容クリニック新宿院院長などを経て、2023年KAGA CLINICを開院。「カウンセリングから施術まで、私が責任を持って行います」
IG:@kaga_clinic/@dr_kaga_yuki
ヒアルロン酸の基本情報
鼻を高くしたり、涙袋をぷっくりさせるために用いるイメージの強いヒアルロン酸。でも最近はサラサラなヒアルロン酸の肌施術も注目されていたりして、なんとも奥深い!ヒアルロン酸の種類や持続期間、注意点について教えていただきました🌷
ヒアルロン酸とは?
ヒトの体にも元々あるゼリー状の物質。高い保水力があり、美容医療だけでなく関節の治療などにも用います。微生物発酵法で作られているそうです。
ヒアルロン酸の目的
大きく分けて3つの目的で使用します。
①パーツを整える(鼻を高くしたり、涙袋をぷっくりさせたり、あごを作ったり、おでこを丸くしたりする)
②(ほうれい線・頬こけ・こめかみ等の)くぼみを埋める
③肌の保湿効果
ヒアルロン酸の種類
美容目的で使用するヒアルロン酸は、ヒアルロン酸同士を結びつけ、形を維持・長持ちするよう加工された架橋タイプと、ヒアルロン酸を結びつけていない非架橋タイプに分けられます。
架橋タイプ
・パーツを整える・くぼみを埋める目的で使用
・ジェリー状〜モチモチの感触(架橋度合いが強いほどモチモチになる)
(製剤例)ジュビダームボラックスXC・ジュビダームボリューマXC・クレヴィエルコントア・ニューラミスディープ
非架橋タイプ
・保湿等の肌施術に用いる
・サラサラとした感触
(製剤例)プロファイロ・ジュビダームボライトXC・スネコス(非架橋ヒアルロン酸+アミノ酸)
加賀先生
一般的に想像されるヒアルロン酸は架橋タイプです!架橋タイプの施術は、イメージと仕上がりが異なったときに溶かせること、美容外科施術に比べてダウンタイムが短いことがメリットだと考えています。
ヒアルロン酸の持続期間
架橋タイプは平均すると約1年です。部位によって差があり、涙袋は数年持つことが多いのですが、ほうれい線や貴族フィラーは半年〜1年の傾向があります。非架橋タイプは、架橋タイプよりも持続時間は短いです。
ヒアルロン酸の注意点
ヒアルロン酸特有の注意点が2点あります。
塞栓:ヒアルロン酸を誤って動脈に注入すると、血管が詰まり皮膚の壊死や失明につながります。
加賀先生
顔面にはさまざまな血管が複雑に走行しており、個人差があることも念頭におく必要があります。解剖学を熟知している医師を選ぶことが大切です。
注入の際気をつける主な動脈
骨の吸収:ヒアルロン酸で骨に圧がかかり続けると吸収が起きます。骨は吸収と再生を繰り返していますが、吸収された骨は元通りに再生する可能性は低いと考えられます。ヒアルロン酸が硬いほど、骨に近いほど、打つ場所が深いほど、量が多いほどリスクは上がります。
加賀先生
1回の施術で量を入れすぎないことが骨の吸収の1番の対策です!筋肉を柔らかくしておくことも有効なので、部位によってはボトックスの併用もおすすめです
まとめ
ヒアルロン酸のリスクをしっかり理解して、対策している医師選びが大切ですね📝 次回は「ヒアルロン酸のオタクなQ&A」をお届けします!お楽しみに〜💞
紹介した施術について
・ヒアルロン酸には、内出血、腫れ、赤み、痛み、むくみ、感染、塞栓などのリスク・副作用があります。
・費用は薬剤や注入量、部位、各クリニックによって大きく異なります。1cc 20,000円〜100,000円が目安です。
・日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を取得していない薬剤を、医師が個人輸入をして使用している場合があります。重大なリスクなどが明らかになっていない可能性があるため、事前に医師に確認してから受けるようにしてください。