下まぶたの脂肪を取るリスクは?費用や具体的な手術内容について解説
目元は年齢が出やすく、顔の印象に大きく影響します。たるみやクマのないすっきりとした目元は、若々しいイメージを与えます。スキンケアに気を遣ったり、マッサージをしたりする人も多いのではないでしょうか。
下まぶたの脂肪による膨らみでクマやたるみが出ているケースには、下まぶたの脂肪を取る施術が有効で、脂肪によるふくらみとその下の凹みが原因の場合には、脂肪取り+脂肪注入もしくは脂肪の再配置が有効です。今回は、下まぶたのクマとりのリスクや費用など、手術前に知っておきたい情報を紹介します。
この記事の監修者:西尾 謙三郎
もとび美容外科クリニック 新宿院
札幌医科大学医学部医学科、東京医科歯科大学卒業後、都立墨東病院(救命救急センター、麻酔科、皮膚科)、有名美容外科医長・技術指導医など歴任し、美容外科クリニック院長、埼玉医科大学形成外科・美容外科非常勤医師を経て、現在もとび美容外科クリニック院長をしております。平成14年札幌医科大学医学部医学科 卒業東京医科歯科大学平成15年都立墨東病院(救命救急センター、麻酔科、皮膚科)平成17年東京女子医科大学形成外科 研修平成17〜26年有名美容外科医長・技術指導医など歴任美容外科クリニック院長埼玉医科大学形成外科・美容外科 非常勤医師平成26年〜もとび美容外科クリニック院長
このドクターについて詳しく見る下まぶたの脂肪取りとは?
目の下のたるみや膨らみによるクマは、下まぶたの奥にある眼窩脂肪(がんかしぼう)が前に出ることや、脂肪のふくらみの下の部分が凹んでくることで起こる現象です。
加齢による眼輪筋の衰えや、眼窩脂肪が多いこと、ふくらみの下の部分が凹んでくることなどが原因で生じ、20代の若い方でも目の下のクマが目立つ場合があります。 下まぶたの脂肪取りは、下まつ毛のキワや、下まぶたの裏側(結膜)を切開し、膨らみの原因となっている余分な脂肪を取り除くことで、たるみを解消する施術です。
一度除去した脂肪は再生しませんので、長期的に目の下のクマを改善し、将来目袋が大きくなって老けてしまうリスクを減らすことが出来ます。
下まぶたの脂肪取りが向いている人
下まぶたの脂肪取りは、下記のような悩みを持つ人におすすめです。
下まぶたの脂肪を取り、凹みも改善させる手術をすると、たるみやクマが軽減され、目元だけでなく顔全体の印象を若返らせることが可能です。
下まぶたの脂肪取りの手術の種類
下まぶたの脂肪を取る手術には、大きく分けて5種類の方法があります。どの術式が適しているかは一人ひとり異なるため、カウンセリング時に医師が総合的に見て判断します。
経結膜脱脂法
下まぶたの裏の結膜を切開し、切開したところから眼窩脂肪を取り出す手術が経結膜脱脂法です。脂肪による膨らみがあるものの、ふくらみの下に凹みがない人、しわやたるみは目立たない人に向いている手術です。
結膜を切るときは、レーザーや電気メスを使用します。そのため、出血や腫れは少なくて済み、ダウンタイムが短いことが特徴です。切開創はまぶたの裏側のため人から気付かれにくく、メイクや洗顔は当日から可能です。
脂肪取り+目の下の脂肪注入
多くの方では、目の下のクマ原因は、眼窩脂肪のふくらみだけでなく目の下の凹みもありす。そのような方では脂肪取りのみ行うと凹みだけ残ってクマがあまり改善しない結果になります。
目の下に凹みがある場合は、脂肪注入を同時に行う方法が有効です。お腹や太ももなどの体の別の場所から取った脂肪を使います。脂肪注入で、目の下の段差を微調整して減らすことで自然な仕上がりになります。
脂肪取りで凸を減らして、脂肪注入で凹みを埋めることではじめて目の下の段差がフラットになり目の下のクマを綺麗に改善させることが出来ます。
下眼瞼切開法
まぶたの裏の結膜を切る経結膜脱脂法に対して、下眼瞼切開法では、下まぶたのまつ毛のキワを切って脂肪を除去します。このとき、脂肪だけでなく、たるんで余っている皮膚も同時に切除することが可能です。
下眼瞼切開法では、5〜10日後に抜糸が必要です。抜糸まではアイメイクができないため、手術を受けるタイミングに注意が必要です。
ハムラ法
ハムラ法は、目の下の脂肪を除去せずに移動させる手術です。脂肪が多い場合は、脂肪を一部取り除く場合もあります。
下眼瞼切開法と同様に下まつ毛のキワを切開し、くぼみがある部分に脂肪を移動して固定します。脂肪を移動することで目袋の解消と、目の下から頰にかけての凸凹の解消を図ります。
さらにハムラ法では、緩んだ眼輪筋を外側に引き上げて固定したり、必要に応じて余った皮膚を切除したりすることもできます。
裏ハムラ法
裏ハムラ法は、ハムラ法と同様に脂肪を取らずにふくらみの眼窩脂肪を目の下の凹みに移動させる手術です。切開部分が異なり、まつ毛のキワを切るのではなく、まぶたの裏の結膜を切ります。皮膚のくぼみやたるみが少ない人に向いている方法です。
下まぶた脂肪取り手術の具体的な流れ
全ての術式に共通する手術の流れについて紹介します。
カウンセリング
医師が下まぶたの脂肪のせり出し具合や目の下の凹み、たるみの状態をチェックします。そして、状態に合わせてどの術式が向いているのか提案してくれます。 不安な点や気になることがあれば、些細なことでも確認するようにしましょう。
麻酔
点眼麻酔をしてから、注射による局所麻酔を行います。
手術
下まぶたを切開して、脂肪を除去したり移動させたりします。脂肪注入の場合はお腹や太ももから脂肪を採取して目の下の凹みに注入します。手術は、目の下の膨らみや凹みの状態を確認しながら慎重に進められます。脂肪量の調整をしたら、止血をして終了です。
冷却
施術が終わった後は、クリニックによっては保冷剤でまぶたを冷やし、腫れや痛みを軽減します。少し休み、問題がなければ帰宅できます。
下まぶた脂肪取り手術のダウンタイム
下まぶたの脂肪取りのダウンタイムの目安は、下記の通りです。
術式 | 腫れ・むくみ |
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経結膜脱脂法 | 2~3日 |
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脂肪取り+目の下脂肪注入 | 2、3日~1週間 |
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下眼瞼切開法 | 1週間 |
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ハムラ法 | 1~2週間 |
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裏ハムラ法 | 1~2週間 |
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どの手術にも内出血のリスクがありますが、1〜2週間ほどで消えて行きます。術後数日間は、サウナや激しい運動など、血行が良くなることは控えましょう。また、術後1週間ほどは、コンタクトレンズの使用ができないため、メガネを使用しましょう。
下まぶたの脂肪取りにはリスクもある?
切開を伴うため、感染や化膿を起こす可能性があります。表側から行う手術の場合は、色素沈着や傷跡の盛り上がりなどのリスクもあります。術後に気になる症状が出た場合は、クリニックに連絡しましょう。
また、下まぶたの脂肪取りでは、目元に残す脂肪量が適切でないと、目の下がへこんだり、左右差が出てしまったりする場合があります。また、脂肪が減ったことで目の下の皮膚がたるみ、小じわが出ることもあります。
仕上がりは医師の技量によるところが大きいため、手術経験を確認してから決めましょう。
下まぶた脂肪取り手術の費用
下まぶたの脱脂術の費用の目安は、クリニックや術式によって異なります。
術式 | 費用(両目) |
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経結膜脱脂法 | 10~50万円 |
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脂肪取り+目の下脂肪注入 | 30~70万円 |
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下眼瞼切開法 | 30~40万円 |
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ハムラ法 | 30~50万円 |
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裏ハムラ法 | 30~50万円 |
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上記はあくまでも目安であり、元々の下まぶたの状態によっても費用は変わってきます。クリニックを選ぶ際は、価格だけで選ばずに、医師の経験や信頼できる対応かどうかを確かめてから選ぶことが大切です。
まとめ
下まぶたの脂肪を取ると、目元がすっきりして若々しく見えるようになります。ただし、脂肪をとるだけではクマは改善できないケースも多く、その場合は脂肪注入や脂肪の再配置を行うことではじめてきちんとクマが改善されます。ご自身のクマにはどんな施術が合うかカウンセリングできちんと確認しましょう。
クマの改善手術は若返り効果は高く、効果も長持ちしやすく、将来の目元の老化防止にもなります。
クマが気になる方には手術がおすすめですが、手術にはリスクがあるため、クリニックや医師選びは慎重に行い、不安な点や疑問点は事前に解消しておきましょう。自分に合った手術で、若々しい目元を手に入れてください。