ピコレーザーとは
ピコレーザーは、短時間の照射でシミの原因となるメラニンを細かく砕き、正常な皮膚にほとんどダメージを与えずに肌の悩みを改善する治療法です。
レーザーは、照射する時間が短ければ短いほど、皮膚にダメージを与えずに色素を破壊できます。従来のレーザー機器から出るレーザー光の時間は、ナノ秒レーザー(10億分の1秒)が最速でしたが、ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)という驚異的に短い時間での照射が可能。周囲への熱の影響が少なく、狙った部分だけを効率的に治療できるのです。
さらに、従来のレーザー機器では砕けなかった大きさの粒子も砕くことができ、カラーにも対応しているため、アートメイクやタトゥーの除去にも使われます。
ピコレーザーの効果
ピコレーザーには、ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルの3種類の治療法があります。ピコスポットはシミやソバカスの除去、ピコトーニングは肝斑やくすみの改善、ピコフラクショナルはニキビ跡や毛穴、小ジワの改善が期待できます。
それぞれの治療法のメカニズムや効果などを、詳しく見ていきましょう。
ピコスポットの効果
ピコスポットは、ピコ秒発振のレーザーで、シミの元となるメラニン色素をピンポイントで破壊する治療法です。ピコスポットでは、メラニン色素の度合いや深さに合わせた適切な波長やパルス幅を設定し、標的となる部分だけをピンポイントで照射します。こうすることで、 メラニン色素を排出し、1回の治療でシミなどの改善ができるのです。衝撃波で破壊するため、従来のレーザー機器では効果がなかったシミやソバカスも除去できるでしょう。また、肌へのダメージが少なく、炎症性の色素沈着のリスクが最小限に抑えられます。
施術時間は20分前後。1回治療を行うことで、個人差はありますが約1ヶ月後にはシミやソバカスが目立たなくなると言われています。価格はシミの大きさによって異なり、2mm以下は1,500円、5mm以内は5,000円、1cm以内は10,000円程度が相場です。
ピコトーニングの効果
ピコトーニングは、低出力のレーザーを持続的かつ広めの範囲に照射を繰り返す治療法です。肝斑(頬の目の下などに比較的広範囲に生じるシミ)を徐々に薄くするほか、くすみなどの薄いシミの改善にも効果が期待できます。従来のレーザー機器は高出力のため、肝斑の悪化や、繰り返しの照射で白斑(肌の色が白く抜けてしまうこと)が生じてしまう心配がありましたが、 低出力で照射するピコトーニングはそのような心配が少ないです。 コラーゲンの増生も促進されるので、肌にハリも出てくるでしょう。
施術時間は20分前後。最初の5回は1~2週間に1回、その後は4週間に1回ペースの照射が効果的と言われています。個人差がありますが、5〜10回ほどで効果が実感できるでしょう。顔全体で1回30,000円程度が相場です。
ピコフラクショナルの効果
ピコフラクショナルは、マイクロレンズを装着してレーザーを高密度にし、肌の深部に集中してエネルギーを届ける治療法です。コラーゲンの増生や肌再生が促進され、ニキビ跡、毛穴の開き、肌のハリや小ジワの改善が期待できます。従来のレーザー機器は痛みが強く、かさぶたや軽度の点状出血が見られるなど、ある程度のダウンタイムが必要でしたが、肌に穴を開けずに肌の深部にエネルギーを届けるピコレーザーなら、痛みやダウンタイムを最小限に抑えられます。
施術時間は20分前後。4週間に1回ペースの照射が効果的と言われています。個人差がありますが、5〜10回ほどで効果が実感できるでしょう。顔全体で1回50,000円程度が相場です。
ピコレーザーのメリットとデメリット
ピコレーザーは、肌へのダメージがほとんどないためダウンタイムも短く、治療直後のメイクが可能です。コラーゲンの増生促進など、肌のエイジングケアに高い効果を発揮してくれるというメリットもあります。
ただ、ピコトーニングとピコフラクショナルは繰り返しの治療が必要ですし、施術中は、輪ゴムで弾かれる程度の痛みを感じる場合もあります。そして、ピコレーザーは日焼けをしている人への照射は難しく、傷口やアトピーの部位、光感受性の強い人には照射ができないといったデメリットもあります。不明点や心配な点がある場合は、事前に医師に相談しましょう。
まとめ
ピコレーザーは、シミやタトゥーの除去、くすみの改善なども期待できる、肌のあらゆる悩みに効果的な治療法です。肌への負担が最小限に抑えられるため、痛みがほとんどなくダウンタイムが少ないところも特徴。肌の悩みに合わせた治療法にチャレンジし、若々しい肌を目指しましょう。