ピコレーザーとは
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)単位の速さで照射されるレーザーで、シミやそばかす、ニキビ跡やタトゥーなどの除去を目指す治療です。一発の照射時間が短いほど周囲の皮膚に熱が広がりにくく、衝撃波も強くなるため、シミやそばかすの原因となるメラニンだけをピンポイントで狙うことができ、目に見えないサイズにまで破壊することが可能です。
従来のQスイッチレーザーやYAGレーザーは、照射時間がナノ秒(10億分の1秒)単位であったことから熱作用が高く、厚いかさぶたができたり、火傷や色素沈着が起こったりする恐れがありました。一方、ピコレーザーは熱作用をほとんど起こすことがないため、痛みや熱による肌への負担を軽減できます。さらに、衝撃波がパワーアップしたことから、より高い治療効果が期待されています。
ピコレーザーによる治療法の種類
ピコレーザーでは肌の悩みに合わせて、様々な治療法が可能です。
ピコスポット
レーザーにより、ピンポイントで集中的にメラニンを破壊する治療法です。シミなど、肌全体ではなく部分的に気になる箇所がある方に適しています。
ピコフラクショナル
レーザーによって目には見えないほど小さな点状の穴を肌に開け、コラーゲン生成機能のある肌深部を刺激することで、肌の若返りを促す治療法です。肌のたるみや小じわ、ニキビ跡、毛穴に悩んでいる方、肌質自体を改善したい方に適しています。
ピコトーニング
低出力のレーザーを複数回にわたり顔全体に照射することによって、顔全体のくすみや肝斑、シミなどを徐々に薄くし肌をワントーン明るくすることを目指す治療法です。
従来のレーザーでは肝斑が悪化することがありましたが、ピコレーザー(ピコトーニング)なら低出力で照射することで、悪化させずに肝斑治療が可能になったと言われています。
ピコレーザーの種類
クリニックによっても、使用しているピコレーザーの種類は異なります。それぞれの機器の特徴や効果についてご紹介していきます。
ピコシュア
ピコシェアは、レーザー機器の最大手であるアメリカのサイノシュア社が開発した、世界初のピコレーザーです。ピコレーザーの中で唯一、ニキビ跡、シミ、しわ、タトゥーなどの幅広い分野でアメリカのFDA認証(日本で言う厚生労働省の承認)を取得しており、その安全性と効果が認められています。
ピコウェイ
ピコウェイは、世界でもトップクラスのレーザー会社であるシネロン・キャンデラ社が開発しています。照射速度が業界最短であることから、周囲の皮膚にダメージを与えることなく、シミなどの原因となるメラニンのみを強力な衝撃波で破壊することができます。すべての色調に対応しているため、マルチカラーのタトゥーや、あらゆる濃さのシミやくすみに使用が可能です。
エンライトン
エンライトンには、「SR」や「Ⅲ」といったいくつかの種類があります。「SR」は”Skin Revitalization=肌再生” の略で、肌の若返りに特化したレーザーです。様々な肌再生治療に合わせた細かな設定が可能です。
「Ⅲ」はエンライトンの最新モデルです。2種類の照射速度を兼ね備えているため、2ナノ秒で大きなメラニン色素の粒子を砕いた後、750ピコ秒でさらなる粉砕が可能です。組み合わせることで、より効率よく短期間での治療が期待できます。
ディスカバリーピコ
ディスカバリーピコは、シミやそばかすといったメラニンの粉砕からタトゥー除去、美肌治療にも対応しています。一台で様々な機能を兼ね備えていることから、希望に合わせて豊富なバリエーションの治療が可能です。
スペクトラピコ
スペクトラピコは、肝斑治療でアメリカのFDA認証を取得している、肝斑に特化したレーザー機器です。シミやくすみ、ニキビ跡、そばかすの改善や、肌のトーンアップなどのピコトーニング治療でも多く使用されています。
まとめ
ピコレーザーには様々な治療法、機器があるため、医師と相談しながら自分の肌の悩みに合った治療法を選びましょう。また、レーザー機器の種類により、可能な治療法や効果が変わってくるため、クリニックがどの機器を使用しているのか事前に確認しておくことをおすすめします。