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レーシックで失明する可能性はある?~レーシックのリスク~

レーシックはエキシマレーザーを照射して角膜を削り、屈折率を調整することで近視や遠視、乱視を矯正する視力回復法です。手術時間は両眼でも10分ほどで、翌日には98%以上の人の視力が1.0以上に回復するとされています。 効果がすぐに得られること、安全性が高いことから、近年人気が高まっていますが、その一方で「レーシックで失明する可能性がある」という説も根強く残っています。そこで、失明の危険性はあるのか、そのほかにどのようなリスクがあるのかお伝えします。

久保田 なお医師

この記事の監修者:久保田 なお

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美容皮膚科・美容外科医として、医療行為として美を提供しています。美容など女性の悩みに関して相談にのっています。

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レーシックと失明の危険性

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レーシックは屈折矯正治療の中では安全性の高い方法とされています。しかし、レーザーを目に照射するという術式のためか、未だに「怖い」と感じる人は少なくないようです。 また、レーシックは自由診療なので、医療機関が手術料金を設定することができます。そのため医療機関同士で価格競争が起こりました。その結果、コスト削減を重視するあまり、衛生面がおろそかになった医療機関で、レーシック手術を受けた患者にトラブルが起こったとニュースにもなったこともあり、「レーシックは危険」という説は、こうしたよくないイメージの影響が大きいと思われます。

レーシックによる失明の危険性は理論上ない

レーシックに使用するエキシマレーザーは波長が短く、照射しても熱や衝撃波が発生しないため、角膜や眼球の機能を損傷することはありません。また、エキシマレーザーで削るのは角膜の表面だけです。眼球そのものには影響を与えないので、失明の危険性は理論上ないと言えます。

失明したという体験談はゼロではない

安全性が高いと言っても、手術である以上、リスクはまったくゼロではありません。ごくわずかですが、「レーシックで失明した」という体験談も、ネット上で見ることができます。 しかしその要因は、不適当なアフターケアや衛生管理、手術を行った医師の技術不足など、レーシック手術そのもの以外にあることが多いようです。

感染症で失明に至る可能性がある

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本来使い捨てにしなければならない器具を簡単な消毒だけで数人の患者に使い回したり、手袋も着用せず手術を行ったりしたことで、レーシックの手術後、感染性の角膜炎を発症した患者が続出した医療機関が実際に存在します。 角膜の感染症は激烈な目の痛みや頭痛といった症状だけでなく、角膜の変形や濁りを引き起こし、最終的に失明に繋がる可能性があります。実際に、感染性の角膜炎から失明状態に近いほど視力が低下してしまったという人もいます。 そのため、術後、少しでもおかしいと思ったらすぐに医師に相談してください。角膜の感染症は恐ろしいものですが、すぐに適切な治療をすれば、重症化は防げます。

レーシック技術は徐々に進歩している

2000年1月、厚生労働省は眼科用エキシマレーザー装置を医療器具として認可しました。それに伴い、日本眼科学会会員が中心となって、「エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドライン」を作成し、より安全に、適切な手術を行うための指針を示しました。 しかし当初は、眼科だけでなく美容外科などでも導入しているところがありました。自由診療のため、営利目的で参入するクリニックも多かったのです。その結果、レーシック市場は玉石混合となり、実施件数が増加する一方で、トラブルの報告も相次ぎました。そしてついに、2009年のレーシックによる集団感染事件が起こります。この事件を踏まえて同年、厚生労働省は改めてガイドラインの周知徹底・遵守を各都道府県に通知しました。 ガイドラインには、レーシックを行うのは日本眼科学会認定の眼科専門医であること、指定の講習会を受講していることが必須と規定されており、レーシックが適応するのはどのような患者か、事前に行う検査や患者に対する十分なインフォームドコンセントなどが細かく規定されています。 こうしたガイドラインに基づく医師の技術や衛生管理の向上、使用機器の進歩により、現在レーシックの安全性は非常に高く、失明の危険性はほとんどないとされています。

レーシックのリスク

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失明の可能性は極めて低いとされているレーシックですが、それ以外にもリスクはあります。その内容と原因について解説します。

視力が戻ることがある

レーシックは角膜を削って屈折を調整することで近視を矯正する方法です。削った部分はそれだけ角膜が薄くなるため、眼球内部からの圧力で押されて近視が戻ってしまう可能性があります。また、20代以降になると目のピントを合わせる調節力が徐々に低下してくるので、人によってはレーシック手術後の見え方に対応しづらく、見えにくいと感じるケースもあります。 ただし、いずれの場合も、レーシック手術前の視力に戻ってしまうようなことはありません。また、削った角膜の厚さが十分残っていれば、再手術も可能です。見えにくいと感じたら、医師に相談するようにしましょう。

ハローグレアが起こることがある

夜間に車のライトや街灯などの光を見ると、ぎらつきやにじみを感じる現象です。角膜を削ると形状が変化して段差ができ、眼球にもともとある焦点のわずかな歪みが増加します。その結果、瞳孔が広がるとレーザーを照射した部分の外から光が入り、ぎらつきやにじみが生じるのです。 術後3カ月ほどで脳が順応して気にならなくなることがほとんどですが、近視や乱視の強い人や、瞳孔の大きい人、角膜の歪みが大きい人はハローグレアが起こりやすいとされています。事前の検査でこうした結果が出た場合には、眼鏡やコンタクトレンズ、ホールICL(眼内コンタクトレンズ)など、他の矯正方法を勧められることがあります。

角膜の混濁・変形が起こることがある

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角膜を削る部分が大きいと、眼球内部からの圧力で薄くなった部分が前方に突出してくる医原性角膜拡張症(ケラトエクタジア)を発症することがあります。その結果、近視や角膜の表面に凸凹ができて不正乱視が起こることがあります。角膜後面のカーブに異常があると発症しやすいとされているため、事前の精密な検査が不可欠です。眼鏡やコンタクトレンズによる矯正、紫外線を照射する治療などで改善が期待できます。 また、レーザーによる一時的な角膜の混濁で、視力が上がらないことがまれにありますが、滅多に起こらないとされており、仮に起きたとしても抗炎症剤の点眼で治療が可能です。

フラップトラブルが起こることがある

レーシックでは角膜にフラップと呼ばれる蓋を作ってめくり、エキシマレーザーを照射します。 しかし、まれにフラップのシワやずれ、穴が開く、フラップが取れてしまうといったトラブルが起こることがあります。術後1週間ほどは吸着が十分ではないので、目をこすったり、衝撃を与えたりしないように注意しましょう。 術前の処置でフラップに穴が開いてしまった時は、レーザーの照射を中止し、角膜が治癒するのを待ってから再度手術を行う必要があります。 また、フラップと角膜の間で炎症が起こる層間炎症(DLK)や、フラップ下に角膜上皮細胞が迷入・異常増殖してしまうフラップ下上皮増殖(epithelial ingrowth)などは、目のかすみや白っぽく見える、視力が上がらないといった症状につながることがありますが、いずれのケースも、ほとんどは自然に治っていくか、点眼薬や洗浄で改善されます。

ドライアイになることがある

フラップを作る際に角膜内の三叉神経を切断するため、知覚が低下します。その結果、目が刺激を受けた時に分泌される涙液が減少して、ドライアイが起こりやすくなります。普段からドライアイ気味の人は、ひどくなることがあります。 三叉神経は切断しても緩やかに再生しますが、3カ月ほどかかるので、その間はドライアイ用の点眼薬を使用するとよいでしょう。症状がひどい場合には、涙液を鼻へ流す涙点をシリコンプラグでふさぐ治療が勧められます。

眼圧測定や白内障手術への支障

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レーシックを受けると、緑内障の診断などに使われる眼圧検査の数値が正確に出ないことがあります。これはレーシックによって角膜の一部が薄くなるためで、実際より低く測定されます。現在では角膜の厚さで眼圧を調べられる眼圧計もありますが、検査を受ける時にはレーシックを受けていると医師に伝えるようにしてください。 また、「レーシックを受けると白内障になっても手術ができない」という説があります。以前は水晶体に挿入するレンズの度数の計算式がレーシックに対応していなかったため、産出した度数では目に合わないことがありました。しかし、現在ではレーシックを考慮した計算式が確立されているので、白内障の手術は問題なくできるとされています。ただし、レーシックを受けていることは医師に必ず伝えましょう。

まとめ

レーシックは経験豊富な医師が正しく行えば、失明などのリスクもほとんどなく、確かな効果が期待できる手術です。クリニックを選ぶ時は必ず症例数や医師の経験も確認しましょう。 また、角膜が極端に薄い人や、白内障・円錐角膜・網膜疾患のある人などはレーシックを受けることができません。類似の治療法として、角膜と虹彩の間にレンズを挿入するICL(眼内コンタクトレンズ)や、角膜をごく小さく切開してレンズを入れるリレックススマイルなどもありますので、よく比較検討して、自分に合う方法を選んでくださいね。

ご注意術式や変化の度合いに応じて効果、ダウンタイム期間には個人差があります。
また、医師の監修を経て誤りがないよう万全を期しておりますが、もし誤りとお考えになる情報がある場合には、ご指摘いただけますと幸いです。運営で確認の上、必要な対応をさせていただきます。

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