側頭筋膜移植による外科的涙袋形成を含む目フルエターナル美容クリニック / 女性

他院で2回タレ目形成を受けられたもののキツい印象になってしまった、もっと柔らかく可愛らしい印象にしたいとのご希望で3回目のタレ目形成を行った症例を紹介します。 術前はこちら。過去のグラマラスラインは両方とも皮膚側アプローチで行われていますが、目尻側がほとんど下がっておらず、黒目の付近のみが下がっている状態でした。後戻りしてしまったのかもしれませんが、本患者様のご希望には合っていない状態でした。 今回外側をメインでさらにしっかり下げていくことに加え、上瞼の形も調整する（黒目の中心よりやや内側に開きのピークがあり目頭側が広い丸い二重ラインとする）ことと、外科的涙袋形成（側頭筋膜移植＋裏ハムラ）を行うことでよりタレ目の印象を与えやすいような手術を行いました。 二重切開から約2ヶ月後、タレ目形成から2週間後の状態です。黒目の付近はあまり下げず、外側をしっかり下げることでよりタレ目の印象に近づいたかと思います。涙袋の赤みが目立ちますが、これは移植筋膜による炎症反応かと思われます。感染も否定はできませんでしたが、一度経過観察とし症状増悪するようであれば抗生剤治療や筋膜の除去などを検討する方針としました。その後感染徴候の出現なく経過し、現在の経過となります。 二重切開から7ヶ月後、タレ目形成から約6ヶ月後（正確には5ヶ月半後） 大きな後戻りなくしっかり形をキープしております。下瞼の赤みも自然に軽快しました。 こちら術前、2週間後、6ヶ月後の比較 2週間後と6ヶ月後でほとんど形が変わっていないことがわかるかと思います。 涙袋もほぼ減ることなく、しっかり形をキープできていると思います。 考察 外科的涙袋形成には様々な方法がありますが、涙袋の膨らみを作る方法としては移植または移動に分類されると思います。このうち、移植の方が自由度が高く自在なボリューム調整が可能ですが、100%定着するわけではないため移動と比較し完成系の予測がしにくい、吸収のされ方により左右差が出る可能性があるといった欠点があります。移植素材としては様々な選択肢がありますが、本症例では側頭筋膜を用いております。理由としては1つは定着率が優れること、もう1つは傷が目立たないことです。真皮脂肪も定着率はよいと思いますが鼠径部や大腿部、上腕部などに傷をつくることが敬遠される場合も多いかと思います。一方頭部であれば日常生活においてまず気づかれることがないため、最も目立ちにくい箇所かと思います。 グラマラスと併用する外科的涙袋形成は本症例のように、外側を目立たせることが難しいです。これはヒアルロン酸でも同様なのですが、涙袋の靱帯の食い込みは外側は浅い（あるいはほぼない）方が多いため、外側の涙袋を目立たせることはそもそもが難しいです。それに加えて、グラマラスラインは主として下瞼の外側を下げる手術であり、その影響で皮膚切除量も外側の方が増えるため、外側の皮膚のたるみが少なくなってしまいます。皮膚の余裕がなければ涙袋の膨らみは作りにくいため、グラマラスラインで皮膚切開を行うと外側の涙袋が減りやすいです。外科的涙袋形成の際もその点は意識して行うのですが限界があるのが現状かと思います。 本症例では側頭筋膜移植から2週間後、下瞼の赤みが強く抗生剤内服など合わせて経過観察しましたが、1ヶ月後くらいまで強い赤みが持続しました。移植筋膜は自家組織であり異物反応は起こしにくいものの、炎症反応が起きる可能性はゼロではありません。実際に本症例以外でも涙袋形成側頭筋膜移植後に下瞼の強い赤みが持続した症例は複数例経験しております。しかし全例3ヶ月〜6ヶ月の経過観察で改善しているため大きな心配はいらないかと思います。

通常価格200万円

左右差、後戻り、理想との相違など

まとめ ①側頭筋膜移植を用いた外科的涙袋形成の症例を経験しました。 ②術後移植筋膜による炎症反応と思われる強い赤みが出現したが、自然経過と共に改善しました。 ③術後6ヶ月時点では移植筋膜の大きな吸収は認めておりません。